【出演】
・阿波の少掾(人形浄瑠璃一座を率いる盲目の太夫)・・・木村俊光
・与助(若い人形遣い)・・・黒田博
・弟子1・・・谷川佳幸
・弟子2・・・塩入功司
・弟子3・・・大久保光哉
・お種(少掾の若い妻)・・・澤畑恵美
・三人の訪問者(すべて同一のテナーにより演じられる)・・・伊達英二
作曲:三木稔
オリジナル台本:コリン・グレアム
日本語台本:三木稔
【解説】
米国時代にブリテンの「カリュー・リバー」世界初演の演出を担当して以来
日本文化に強い憧憬の念を抱き続けてきたコリン・グレアムは
近松文学を独自に解釈し
完全なオリジナル台本を書き下ろしました
それがオペラ「じょうるり」です
作曲は三木稔
世界初演されたセントルイス・オペラ劇場では
「徹頭徹尾旋律的に波うち
素晴らしいスコアで個性的かつ高度の表現力をもち
東西文化の融合をはかる最高の舞台(ニューヨーカー誌)」と
絶賛されました
初演から20年の今秋9月
朝倉摂(美術・衣装)吉井澄雄(照明)尾上菊五郎(振付)といった
コリンの旧知の舞台スタッフが東京に集結して
オペラ「じょうるり」日本語版日本初演に臨みます
指揮はウィーン出身で今や欧米で活躍めざましい
気鋭のアンドレアス・ミティセタ
主演は木村俊光・黒田博・澤畑恵美・伊達英二等
実力派キャスティングが実現
日米協同によるオペラ「じょうるり」に
ご期待ください
【あらすじ】
(17世紀、舞台は大阪)阿波の少掾(木村俊光)が率いる人形一座では人形浄瑠璃の上演や稽古が活発に行われている。太夫には自分が盲目になったことと、若い妻お種(澤畑恵美)と出会ったことに関連する奇しき因縁がある。
一方、弟子たちの上にたつ若い人形師与助(黒田博)はお種を強く恋慕し、お種もいつか与助に惹かれていく。弟子たちは感づいてそれを比較したりするが、盲目の太夫が知るすべもない。ある時、与助の彫った面を案じていた太夫は、突然事の重大さに気付く。
互いに愛し合う三者間に深い葛藤が生まれ、太夫は一度は若い二人を許すが、時には幸せな解決を赦さず、お種と与助は太夫がかつて書いた浄瑠璃台本に導かれて遠い熊野の山中に道行し、聖なる滝に心中を遂げる。