【出演・スタッフ】
企画・演出:浅利慶太
台 本:劇団四季文芸部
作 曲:鈴木邦彦
振 付:山田卓
【公演紹介】
嵐の中でぼくらは見つけた。
信じあうことで生まれる、不思議なちからを・・・
『嵐の中の子どもたち』は、アイバン・サウスオール作『ヒルズ・エンド』と、ヘンリー・ウィンターヘルト
作『子どもだけの町』という二つの作品を元に、歌と踊りなどのミュージカルの要素をふんだんに
取り入れて、舞台化したものです。
個性豊かな18人の子ども達が、巨大な嵐に遭い、子ども達だけ村に取り残されてしまいます。
大人が一人もいない世界の中で、子ども達は「協力」や「思いやり」など、人生に欠かせないことを
学びます。この作品は、何ごとにも「希望」と「勇気」をもって取り組むことの素晴らしさ、「友情」
の大切さを改めて教えてくれるます。
『トム・ソーヤの冒険』『宝島』『十五少年漂流記』など、子ども達が大活躍する名作は世界中に
たくさんあります。『嵐の中の子どもたち』も子どもが主人公のわくわくする冒険物語です。
きっと私達に、子どもの頃に夢見たことや、忘れてしまった何かを思い出させてくれることでしょう。
●『嵐の中の子どもたち』のテーマ曲
「希望/すてきな仲間」 作詞:劇団四季文芸部 作曲:鈴木邦彦
『希望』 |
心をひとつに 手をつなぎあい 信じる言葉は 希望だけ 涙がこぼれて 止まらない時 きらめく星に向かい つぶやいてみよう
希望を 希望を 希望を持とう ほら ごらん 光が見えるだろう ほら ごらん 明日が見えてくるだろう
|
『すてきな仲間』 |
君と僕 手と手をとれば すてきな仲間の やさしいぬくもり 聞こえてくる 君の心の声が ほらね、僕らは仲間
どんな時でも かよいあう心 信じあおう 愛でむすばれた仲間 大切にしようよ |
【あらすじ】
家々を傾かせるほどの巨大な嵐がハミングバード村を襲った日、村にはひとりの大人もいません
でした!残されたのはたったの18人の子どもたち。明かりもなく、食べ物も探さなくてはなりませ
ん。彼らはいったいどうなるのでしょうか!?
信じあう心と勇気を胸に、大冒険がはじまります。
今日はハミングバード村の開拓記念日。"みんなで協力して生きていこう"という200年前の誓いを
忘れないために、年に一度、ヒンメルの町で記念式典が開かれます。きれいにかざられた駅前は、
式典に参加する村びとたちで大にぎわい。
そんなとき、伝説の古代遺跡『エルドラド』を見つけたというボブと、彼をリーダーとする不良グルー
プ『山賊団』とケンをリーダーとする優等生グループが喧嘩をはじめてしまいます。
おかげで、大切な開拓記念日はもうメチャクチャ。つまらないことでいがみ合う子どもたちを、校長
先生は式典に連れて行かないことにしました。大人たちは開拓記念日の意味を考えるために残っ
て勉強するようにと、村の歴史の本を置き、嵐を心配する子どもたちをよそに、ヒンメルへ出かけてしまいます。
残された18人の子どもたちは、ボブの言葉を確かめるため、『エルドラド』を探しに山奥へ入って
行きます。途中で歩けなくなったビッキーだけ、木こり小屋に残ります。やがて、偶然にも王様の
秘密の抜け穴を発見。その穴を抜けると、不思議な光に照らされた、伝説の古代遺跡『エルドラド』があったのでした。
やがて、子どもたちの心配していた巨大な嵐がやってきました。ボブは『エルドラド』を発見したのは
偶然で、嘘をついていたと告白すると、ビッキーを助けに、一人嵐の中に飛び出します。
残った子どもたちは互いに助け合い、励まし合って、やっとのことで村に帰りつきましたが、嵐の
ために村は廃虚と化していたのでした。家や学校も跡形も無く消え去り、大人たちの無事も分から
ないまま、子どもたちの心の中は、不安と悲しみで一杯です。
そこへビッキーを背負ったボブが戻って来ます。ビッキーは具合が悪そうでしたが、皆の無事が
確認でき、希望が生まれた子どもたちは、皆で助け合い、くじけずに生きていこうと決心します。
嵐が去った次の日、子どもたちは村を元通りにするのに大忙し。ケンが皆を集めて仕事の分担を
発表しますが、またもや山賊団と喧嘩になり、結局山賊団は別行動をとるようになります。
順調に村を建て直す優等生グループ。食料を集め、電気を通し、無線機で大人たちの無事も確認
できました。しかし、一つだけ気になるのはビッキーの熱がどんどん高くなっていることでした。
一方食料がない山賊団はお腹が減るばかり。そしてとうとう食料を盗みに村までやって来ますが、
もう少しというところでケンに見つかり、再び大喧嘩になってしまいます。
睨み合う二つのグループを止めたのは、熱で動けないはずのビッキーでした。皆に仲良くしてと
言うと、ビッキーはその場に倒れてしまいます。ビッキーを救うためには、皆が心を一つにして、
ヒンメルの病院へ連れて行かなくてはなりません。しかし無線機は壊れたまま、途中までは行ける
はずの機関車の動かし方も知りません。
果たしてビッキーを助けることはできるのでしょうか・・・。
【登場人物】
この作品には、18人の個性豊かな子どもたちが登場します。
そして、ひとりひとりの名前からも分かるように、それぞれがこの作品の中では大切な役割を持っています。さて、誰がどんな場面で活躍するのでしょうか。
●ケングループ
先生や大人のいいつけをきちんと守る優等生の集まりです。
嵐によって村の建物が壊されても、計画を立ててがんばろうとします。
ケン |
しっかり者の少年です。常識があっていつも落ち着いて行動するので、みんなから信頼されています。正義感が強く、曲がったことが大嫌いな性格です。 |
ビッキー |
心優しいビッキーは、ケンとボブのそれぞれの良いところを知っています。みんなが仲良くなるためなら、自分を犠牲にしてでも喧嘩を止めようします。 |
教授 |
頭が良くて物知り。自分の知らないことは、仲の悪い山賊団からでも素直に教えてもらいます。 |
モールス |
手先が器用で、機械に詳しいので、無線機の修理という大切な仕事を任されます。 |
パック |
汚れたところを消毒したり、腐った食べ物を焼くなど、皆が嫌がる仕事でも皆のために進んで行います。 |
フローラ |
皆が不安になっている時に、希望を持って、皆で助け合って生きていこうと励まします。常に皆のことを考えるお姉さん的な存在です。 |
ブルーシー |
不良グループの山賊団を相手にしても、自分の意見をはっきりという元気な女の子です。 |
ブブ |
嵐が近付いても、遺跡探検を続けたがるほど、好奇心が強く、子どもだけの生活も楽しんでいます。 |
カロリー |
何かあるとすぐに「おなかがすいた」をいう食いしん坊ですが、料理の腕はお母さんにも負けないぐらい上手です。 |
レイジー |
心配性でちょっぴり臆病。悲しいことやうれしいことがあると、すぐに涙をこぼします。 |
●ボブグループ(山賊団)
別名『山賊団』、勉強嫌いの落ちこぼれですが、本当に皆が困っている時は、
協力を惜しまない団結力もあります。
ボブ |
見栄っ張りで乱暴者に見えますが、嵐の中、ビッキーを助けたりと、実は仲間を大切にする優しい子。どこか親分肌の頼もしい存在です。 |
ジェロニモ |
インディアンの子どもジェロニモは、自然に関する知識が豊富です。先祖代々の教えを信じ、嵐が来ることをいち早く皆に伝えます。 |
ダンプ |
子ども達の中で一番の力持ち。機関車のかまどに石炭をくべたりなど、ほかの子どもにはできない力仕事を簡単に行います。 |
ブラック・ジョー |
気が短くて、言葉遣いも乱暴。すぐに喧嘩をしようとします。ビッキーに手荒なまねをして、ボブに怒られてしまいます。 |
ポー |
誰かにお説教されたり、皆と同じことをしなければならなくなると、体が震え出してしまいます。団体行動と努力が嫌いで、自分で考えて行動することが大好きです。 |
ハッチ |
底に穴が開いたバケツを自分達と同じ「おちこぼれ」をいう、とぼけた性格の男の子。いつも見張り役として、犬の鳴き声で危険を知らせます。 |
セシリー |
活発で行動的な性格ですが、ケングループを目の敵にしています。 |
リンダ |
ボブのことをたくましくて頭の良い男の子だと思っています。ケンとボブのどちらがリーダーにふさわしいかを決める時も、ボブを信じる心は変わりません。 |