出演：笠原浩夫・及川　健・曽世海児　 他　Studio Life 劇団員
原作：ゾフィア・ポスムイシ
脚色・演出：倉田　淳
制作・プロデュース：株式会社CUBE
企画・制作：Studio Life

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第二次世界大戦終結後16年、アメリカへと渡る豪華客船の船中、外交官夫人リ−ザはある女性を見て激しく動揺する。
過去を消し去り生きていこうと、夫にさえ過去を明かさず生きてきた彼女にとって、その女性の存在は衝撃であった。
大戦中、ナチス親衛隊将校としてアウシュビッツ強制収容所の看守だったリ−ザ。
そして収容所にいた女囚マルタの存在。
アウシュビッツで出会ったそのマルタという囚人の毅然とした姿にリ−ザは同情心を覚え、救いたいと思った。
そこには看守と囚人、敵と味方、強者と弱者という立場の違いが絶対的にあった。
その埋められぬ溝の中で、プライドとジレンマに心惑わされ……。
リ−ザをさいなむマルタの面影とともに、その残酷な過去を彼女は回想する-----。

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【作品解説】
'61年、アンジェイ・ムンク監督によって映画化もされ（監督の不慮の死によって未完）大きな反響を呼んだ、ナチス収容所を扱った現代ポーランド文学の代表的作品の一つ。
ナチスの犯罪の前に主観的には誠実であろうとしたリ−ザにも突き付けられる責任や、ナチズムを歴史的過去としか見まいとする傾向への批判など、さまざまな原作者の思いが込められた作品。
本作品を、人が人と生きてゆくことの孤独と愛そして心の深淵に光を当てる作品づくりに定評がある倉田淳がどのように舞台にたちあげ、男優劇団Studio Lifeが演ずるのか。この時代だからこそ、きっと御覧になった方々の胸に強く響くテーマになるのではないかと思います。

−Studio Life−
1985年に結成された男優のみで構成されている劇団で、唯一の女性は脚本・演出の倉田淳。
「トーマの心臓」(原作：萩尾望都)、「死の泉」(原作：皆川宏子)などの文芸耽美作品を次々と舞台化。
2000年12月〜2001年1月に行われた萩尾望都作品連鎖公演では、１ヶ月以上のロングランを成功させた。
倉田の演出力と男優たちの優美な舞台は、20代、30代の女性に絶大な人気がある。
紀伊国屋ホール、天王洲アイルアートスフィアなどでの公演のほかに、米国のオフオフ・ブロードウェイなどの秀逸な戯曲を上演する劇団内ユニット〔The Other Life〕の公演活動、東京の中野にある小劇場〔ウエストエンドスタジオ〕の運営等も行っている。