チケット料金(全席指定・税込)
S席 9,000円 / A席 7,000円
会員先行予約開始
11月4日(木)
一般予約開始
11月6日(土)
窓口販売・予約引取開始
11月8日(月)
お問い合わせ
ホリプロ ファクトリー部 03-3490-4621
■ 英国公演劇評より
「デモクラシー」は、そう、フレインの前作1998年の「コペンハーゲン」以来の最も知的で魅力あるイギリスの新作戯曲だ。
デイリー・テレグラフ
「コペンハーゲン」の時と同様にマイケル・フレインはヨーロッパの近代史を描いた。そしてその結果、またもや魅力的な戯曲が生まれた。
完全に心を奪われた。
ザ・タイムズ
信頼、友情、アイデンティティを描く素晴らしい新作…魅力的なストーリー。
デイリー・メール
-
2/11
(金)
2/12
(土)
2/13
(日)
2/14
(月)
2/15
(火)
2/16
(水)
2/17
(木)
2/18
(金)
2/19
(土)
14:00
★
★
★
休演
-
★
★
★
★
19:00
-
★
-
★
★
-
★
-
出演:鹿賀丈史 市村正親 他
脚本:マイケル・フレイン
翻訳:常田景子
演出:ポール・ミラー
物語はギョームがクレッチマンを相手に、スパイでありながら自分がブラントに仕えた日々を回想する形で進む。
1969年、西独ではブラントが首相に選ばれる。
戦前はナチスが、戦後は右派が政治の中心にあった西独において、中央左派の社会民主党か゛政権をとるのは実に40年ぶりのことだ。
ブラントは政権を維持するために、他の政党との危ない連合を図っていた。
ギョームはその13年前に東ベルリンから西独入りしていた。
避難した市民を装い、その実は東ドイツの諜報部員であった。
彼はフランクフルトの社会民主党支部で献身的に勤めたことが評価され、ブラント当選と機を同じくして首都ボンへ異動となり、首相室スタッフとなる。
東ドイツにとっては、敵の中枢にスパイを送り込む快挙となったわけだ。
首相室のスタッフはみなインテリのエリートぞろいだ。
温厚なチーフ、エイムケは今こそ首相が庶民の考え方に接するべき、としてギョームをスタッフに採用したのだ。
東独からの移民という彼の経歴は、他のスタッフの疑惑も招いた。
ブラント自身が最初はギョームのことを好かず、彼をクビにしてほしいとエイムケに言ったほどだ。
しかし、陽気でむつかしいことなど考えていなさそうな彼のキャラクターが人々を和ませ、首相室にとけこむのに時間はかからなかった。
首相は圧倒的な国民の人気を誇る一方、決断が遅い・対決を嫌う・女癖が悪い・うつ病とアルコール依存症のけがある、など個人的な問題も多々抱えていた。
黒幕のヴェイナーはこの政権の潮時を冷静に測っていたし、急進派のシュミットは首相に批判的だった。
しかし、首相はソ連、ポーランド、東ドイツとの友好条約を次々と締結していく。
冷戦のさなか、この決断は世界に衝撃を与えた。
彼自身は、地方を遊説してまわり、人々の前で無言で微笑むだけ。
この無言の微笑や、強制収容所跡でひざまづいて祈りをささげるといったジェスチャーは人々をひきつけ、土壇場の危機を救ってきた。
いつしか、党は彼の人気なくして存続できなくなっていた。
ギョームも彼のカリスマ性に強く魅せられ、献身的にブラントに奉仕した。
最初は、下っ端のスタッフだった彼が、気配りと愛嬌で次第に上り詰め、やがて遊説の手配など全てとりしきることになる。
一方彼が東ドイツ側から求められていた情報は、書類のコピーや写真というよりはむしろ、首相はどのような人間なのか、その嗜好性やスキャンダル、そして社会主義圏と融和をはかる彼の政治方針はどの程度信じていいのか、彼にそれを貫き通す実力はあるのか、といったことだった。
ギョームは東ドイツのスパイでありながら、ブラントの一番の弁護人となっていった。
東ドイツもまたブラント政権の存続を望み、ギョームにそのために尽力することを期待した。
二人の主人に仕えることが奇妙にもギョームの中では矛盾をきたさなかった。
クレッチマンはしかし、目立ちすぎることのないように、と彼をいさめる。
遊説のさなかにブラントとギョームは生い立ちをかたりあう。共に幼くして父親を悲しいなりゆきで亡くしていた。
ギョームはブラントの人間的弱点を決して攻めず、彼を全面的に受け入れ、守った。
演説の際のスーツとネクタイ選び、スケジュール管理、遊説先での女たちとのアバンチュールの手配・・・ブラントは我知らずギョームなしでは、やっていけなくなっていくのだった。
ある日、ギョームは自らのスパイ疑惑が浮上しているらしいことに気づいて焦る。
しかしブラントからノルウェーで家族と過ごす夏休みにギョームも妻と息子を連れてくるように、と誘われ、ホッと胸をなでおろす。
しかしそれは、彼を泳がせてみてしっぽを出すかどうか探ろうというヴェイナーの計画にとってはうってつけの機会となった。
早くから、Gという頭文字の男で息子が二人いる者がスパイだという情報を彼らは得ていたのだが、これはゲンシャーらの情報の誤読で、家庭に男が二人(つまり息子が一人)いる者ということだった・・・つまりギョームの家族状況に合致していたことが発覚したのだ。
ギョームは妻と共に東独のスパイ。日曜に愛息と共に空港へ飛行機を見に遊びに行くふりをして情報を東に提供していた。
また他の時は妻が情報の運び屋であった。
家族ぐるみの休暇、ブラントとの楽しい語らいの日々に油断していたギョームだが、ある日ホテルの部屋に他人が入った形跡に、証拠をつかまれたことに気づく。
彼は、ブラントに言い訳をする間もなく、逮捕された。
黒幕のヴェイナーは、ブラントもそろそろ潮時と考え、ギョームを逮捕させ、それを機会に彼が政権をシュミットに譲ることを促そうとしたのだ。
彼らの意にのらず、ブラントは政権を維持。
しかし、私設秘書がスパイだったというスキャンダル、続いてあばかれていった彼の私生活の問題がついにブラントを退陣においやった。
しかし、それはギョームが東独に報告したため露見したわけではなく、ヴェイナーが意図的に暴いたためだった。
ギョームは東ドイツのスパイであったことにも、ブラントにつかえたことにも誇りを持っていた。
それだけに最後にヴェイナーの道具として使われ、結果的にブラント退陣の口実に利用されたことは大きな屈辱だった。
彼はブラントにとっても、家族にとっても、東ドイツにとっても裏切り者となってしまった。
彼は6年の刑を務め、東独の囚人多数と引き換えに故国への帰還を許された。
それはすでに癌を患っていた彼への恩赦でもあった。
それから何年もがすぎた。
ヴェイナーは死に、シュミットが首相になったのも随分過去の話になった。
ゲンシャーは念願の外務大臣を何期もつとめていた。
1989年、ベルリンの壁が崩されたとき、人々はそのレールを一番最初に敷いたブラントにコメントを求めた。
彼の遊説の旅がまた始まった。
クレッチマンは歓呼をさけぶ人々の群れに自らの姿をくらませた。
そしてギョームはすっかり変わったブラントの姿を遠くから見守るだけだった。
■鹿賀丈史 KAGA TAKESHI/ヴィリー・ブラント
西独首相。戦後初 左派から出た首相。
東西の融和を推し進めた功績から後にノーベル平和賞を受賞する。
国民にもカリスマ的人気を博すが、女性問題・アルコール依存・うつ病など個人的な弱みも抱える人物だった。
1950年10月12日生まれ、石川県金沢市出身。
劇団四季在団中、ミュージカル「イエス・キリスト=スーパースター」の主演で脚光を浴びる。 退団後は、ミュージカル「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャン役を1987年の初演から14年間演じる(1999年菊田一夫賞特別賞受賞)。
近年の主な出演作品:「マクベス」(2000年)、音楽劇「三文オペラ」(2001年)、ミュージカル「ジキル&ハイド」(2001/再演2003年)、「レ・ミゼラブル」コンサート(2004年7月) 映画:「戦国自衛隊」(来年公開予定)
■市村正親 ICHIMURA MASACHIKA/ギュンター・ギョーム
ブラント首相室の雑用係からやがて個人秘書に上り詰めるが、実は東ドイツのスパイ。
愛想がよく庶民的、どちらかというと知性を感じさせない感じ。
1949年1月28日生まれ、埼玉県川越市出身。
1973年に劇団四季のミュージカル「イエス・キリスト=スーパースター」でデビュー。 退団後、ミュージカル「ミス・サイゴン」、「ラ・カージュ・オ・フォール」、「クリスマスキャロル」、「海の上のピアニスト」、「ハムレット」、「リチャード三世」、「ぺリクリーズ」などミュージカルからストレートプレイや一人芝居まで多彩な活躍をみせる。
2002年、第10回読売演劇大賞優秀男優賞と芸術選奨文部科学大臣賞受賞。
近年の主な出演作品:「ミス・サイゴン」(8-11月)、「クリスマスキャロル」(12月) 映画:「ホテル ビーナス」
近藤芳正・・・ホルスト・エイムケ
首相室のチーフ。
有能で温厚な官吏タイプ。
ブラントが庶民と接することを意図してギョームをスタッフに採用した。
ブラントの個人的問題のよき相談相手でもあるが、後に左遷される。
今井朋彦・・・アルノ・クレッチマン
ギョームを東ドイツにつなぐエージェント。
エリート。物語はギュンターと彼の回想の形で語られる。
この物語の証人として常に舞台上に存在する。
加藤 満・・・ハンス・ゲンシャー
自由民主党 内務大臣として、国内の治安を担当。
ギュンターのスパイ疑惑に関して、情報の読み違えから確信をつかむのが遅れる。
ある種の曲者。
小林正寛・・・ウルリッヒ・バウハウス
首相のボディガード兼給仕として、ギョームとは別の立場からブラントに忠誠を尽くす。
総身に血の回りかねる大男。
石川 禅・・・ラインハルト・ヴィルケ
首相室スタッフ。
やや神経質で繊細、知的な官吏タイプ。
ギョームのなれなれしさ、図々しさに最初は抵抗を見せる。
温水洋一・・・ギュンター・ノラウ
社会民主党 国防長官としてゲンシャーの部下であるが、党内ではヴェイナーの子飼い。
殺人などの暗い過去があるらしい。
嫌われ者。
三浦浩一・・・ヘルムート・シュミット
社会民主党の若手リーダー 党内では革新的立場にあり、怜悧で明晰な政策を提案。
ブラントの優柔不断を糾弾する。
次期首相
藤木 孝・・・ヘルベルト・ヴェイナー
社会民主党の影のドン 老獪な黒幕 ブラントとは対立姿勢。
シュミットを次期の首相にするべく画策。
ギュンターがスパイであることをある時点で知りながら、それをブラント失脚の切り札として時期を図って利用する。
チケット取扱
THEATRE1010
チケットセンター
03-5244-1011
グループ観劇
03-5244-1020
オンラインチケット
https://www.t1010.jp/
・イープラス http://eplus.jp/
・チケットぴあ 0570-02-9966(Pコード:356-928) 0570-02-9988(オペレーター対応)
・ローソンチケット 0570-063-003(Lコード:30023) 0570-000-403(オペレーター対応)
・CNプレイガイド 03-5802-9999
・JTB、JTBトラベランド各支店 03-3865-5489
・東京文化会館チケットサービス 03-5815-5452
・東京芸術劇場チケットサービス 03-5985-1707