チケット料金(全席指定・税込) S席 4,500円 / A席 4,000円 / 千住席 1,010円
通し券(特別編+第二十三夜) S席 8,000円
※ 千住席、通し券S席はTHEATRE1010フレンズ会員10%割引
  販売の対象外となります。

※ 通し券S席はTHEATRE1010チケットセンター・窓口のみの
  お取扱いとなります。
会員先行予約開始 12月2日(金)
一般予約開始 12月4日(日)
窓口販売・予約引取開始 12月6日(火)
お問い合わせ THEATRE1010 03-5244-1010

白石加代子『百物語』とは?

 白石加代子「百物語」シリーズは、明治から現代の日本の作家の小説を中心に、
「恐怖」というキーワードで選び、それを白石加代子が朗読するという形で出発した。

 上田秋成「雨月物語」、泉鏡花「高野聖」、坂口安吾「桜の森の満開の下」、江戸川乱歩「押絵と旅する男」、という幻想文学の傑作作品から、 半村良「箪笥」、筒井康隆「五郎八航空」、阿刀田高「干魚と漏電」、高橋克彦「遠い記憶」、宮部みゆき「小袖の手」、小池真理子「ミミ」といった 現代作家の人気作品までの幅広いレパートリーと白石加代子の朗読という枠を超えた立体的な語りと動きの上演で人気を博している。

2月9日(木)、10日(金) 19:00開演


出演:白石加代子
構成・演出:鴨下信一

企画・制作 : メジャーリーグ
主催 : THEATRE1010


白石加代子の「百物語」って何とよく聞かれる。一体どんなものなのか?
本を読むから朗読とも言える。
しかし実際に観た人で、朗読だと思う人はいないだろう。
だとしたらひとり芝居なのか。
それもおそらく違うと言わざるを得ない。
ニューヨークでの公演の時、アメリカにおけるどんなひとり芝居とも全く異なっているというふうに劇評されていた。
そして「百物語」をワン・ウーマン・ショーと名付けていた。
もしかしたら、その表現が一番近いかも知れない。
「人物の変化とともに、語りのイントネーションも、表情も、姿形までもが変化する。千変万化の白石加代子にとって視覚上の限界はない。迷信深い母親も、権威的な父親も、いともたやすく、よどみなく演じ分ける。年齢すら問題ではない。この女優は、赤ん坊でも死にかけた男でも、何の苦もなく生き生きと描き出すのだ」
白石加代子の「百物語」を説明することは出来ない。
ただ言えるのは、劇場でその世界を体験して欲しいということだけである。





★2006年2月9日(木)

【演 目】 特別編

    浅田次郎  「うらぼんえ」
    阿刀田高  「干魚と漏電」
    和田 誠   「おさる日記」

浅田次郎 「うらぼんえ」
浅田次郎が直木賞を受賞し、ベストセラーとなった「鉄道員(ぽっぽや)」の中に収録されている作品。
幼くして、親に捨てられ、育ててくれた祖父母も亡くなり、天涯孤独となった女がやっと結婚して幸せを見つけたと思うと、夫が浮気をして相手の女性に子供が出来た。
そして夫の郷里での初盆の席で、夫の親から離婚話が持ち出される。まさに孤立無援、
そこに彼女を助けに現れたのがすでに亡くなった祖父。
「盆と霊」というちょっと怖い設定に、浅田作品ならではの「情と粋」が加わり、深い余韻を残す名作である。「百物語」の中でも笑えて、泣けてという最も人気の作品である。
阿刀田高 「干魚と漏電」
「百物語」の一番の当たり狂言はなにかと言われると、まず上がるのがこの作品と、筒井康隆の「五郎八航空」ではないだろうか。 とにかくお客は最後の最後まで笑いっぱなしである。しかし、まさに最後の最後の一瞬に強烈なパンチが待っている。
一人暮らしの老嬢が、電気が盗まれていると探索を始める。
何でもないごく日常的なディテールの積み重ね。
しかし、隅々まで伏線が見事に張り巡らされている。
そしてその伏線がどんどんとたぐり寄せられ、衝撃のラストが待ち受けている。
それよりもとにかく楽しい作品である。
ローラアシュレーの衣装を着て、生真面目で几帳面なお婆さんになって、縦横無尽に舞台を駆けめぐる白石加代子は実に生き生きとしている。
この作品に「百物語」というコンセプトの醍醐味が凝縮していると言っても良い。
和田 誠 「おさる日記」
お父さんがお土産に持って帰ったおさるの成長日記という形を取ったこの可愛い作品がなぜ百物語に入っているのか、それに関しては、後一言も申し上げることは出来ません。
ただ言えるのは、最後の一行のインパクトはおそらく「百物語」の中でもナンバーワンでしょう。


★2006年2月10日(金)

【演 目】 第二十三夜

    夢枕 獏   「首」(「陰陽師シリーズ 龍笛ノ巻」より)
    朱川湊人  「栞の恋」(「かたみ歌」より)」

今年「花まんま」で直木賞を受賞した朱川湊人の最新作「かたみ歌」に収録されている「栞の恋」。 そして夢枕獏の超人気シリーズ「陰陽師 龍笛ノ巻」より「首」。
まさに今最も旬な二本の作品を中心に据えての、百物語第二十三夜公演である。

朱川湊人 「栞の恋」(「かたみ歌」より)」
昭和40年を前後する頃の東京の下町、その町には覚智寺というあの世とつながっているらしい不思議なお寺がある。そのせいか毎回、あの世からの登場人物が現れる。
直木賞を受賞した「花まんま」もそうであるが、ホラーといっても怖さより、むしろ優しさや懐かしさがベースとなっている泣ける話である。
 そういえば、百物語で取り上げた浅田次郎の「鉄道員」や「うらぼんえ」にも幽霊が登場したが、恐い幽霊と言うよりも、むしろ生きている人間を勇気づけ、励ますために現れる。そんな幽霊だった。

東京下町の酒屋の娘邦子は23歳、彼女はザ・タイガースの大ファンで、そしてそのグループのサリーそっくりの男の子に恋をしている。
その男は古本屋で一冊の本をずっと立ち読みしている。
彼女はこっそりとその本に彼女の思いを書いた栞を入れる。思いがけずその本には彼からの返事があった。そして不思議な栞を通しての文通が始まる。
夢枕 獏 「首」(「陰陽師シリーズ 龍笛ノ巻」より)
今や夢枕獏は百物語を支える重要なスタッフの一人といってもいいだろう。
第二十夜の「踊るお人形」は、夏目漱石家の女中ミス・カヨコが書き残したシャーロック・ホームズの日本での活躍といった形式をとった、百物語のための夢枕獏氏の書き下ろし作品であった。
そして今回は、夢枕獏の代表作「陰陽師」の登場である。
シャーロック・ホームズのシリーズでのホームズとワトソンという二人のコンビにいささか似ているともいえなくはない、 阿倍晴明と源博雅の二人の元にさまざまな奇怪な事件が持ち込まれるという構成である。そして今回はタイトル通り、女の首につけ狙われる男の物語である。

この二作品、怖さはあくまでもスパイスで、じっくりと味わいのある贅沢な一夜となることだろう。 「百物語シリーズ」はますます、現代のエンターテイメントとしての色合いを増してきたと言えるだろう。

チケット取扱
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