【出 演】
Noism07
青木尚哉 石川勇太 井関佐和子 佐藤菜美 高原伸子 中野綾子
平原慎太郎 宮河愛一朗 山田勇気
【スタッフ】
構成・演出・振付:金森穣
空 間:田根剛(DORELL.GHOTMEH.TANE / ARCHITECTS)
音 楽:Ton That An
衣 裳:三原康裕
舞台監督:原口佳子(モリブデン)
照明デザイン:山口暁(あかり組)
主 催:財団法人 新潟市芸術文化振興財団
製 作:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
協 力:THEATRE1010
制作協力:カンバセーション
『時代の共存』
前世紀ダンス界ではダンス・シアターというスタイルが生まれ、今ではそのスタイルさえ内包した、
コンテンポラリーダンスと言う名称で、様々なダンスの在り方が曖昧なイメージの元にくくられて
いる。そしてその曖昧な線引きは、現代と言う垣根の無い情報流通時代を象徴するように
“何でもあり”という更に曖昧な境地へと溶け込んで行く。そしてその“何でもあり”と言う曖昧な
線引きこそ、行動の多様化に紛れて、質の多様化を生み出し、ここ日本における玄人と素人の
曖昧な線引きを更に強調し、舞台芸術の質の低下に多大な影響を与えている。
では行動(作品)が多様化する中、如何に質を保ち続ける事が出来るだろうか。その事を模索する
ために我々が行うべき事は、もう一度自らの専門分野に立ち返り、そのある制約と言う垣根の中
の可能性を追求ー認識し、同時に他分野の専門家(玄人)との本質的コラボレーション(共同作業)
を行うことではないだろうか。ここで言う本質的共同作業とは単なる役割分担ではなく、一つの
議題、アイデア、コンセプトに対して、各分野からの意見を出し合い、ぶつけあう事によってしか
生まれる事の無い作品を創りあげる作業である。舞台芸術に於ける創造性にとって最も重要な事、
あるいは舞台芸術の本質は専門家同士の交流にある。何かを専門的に追求するもの同士が、
その追求の過程で養った掛け替えのないものを、容易に分け与えるでもなく、閉ざし守ろうとする
でもなく、与える事により得、得た事を与えると言う連鎖の中に於いて、時代を共存しようとする事
こそが真のコラボレーションである。
金森穣