【出演・スタッフ】
出 演:白石加代子
現代語訳:瀬戸内寂聴
台本構成・演出:鴨下信一
衣 装:井上苟「
美 術:中越司
照 明:山口暁
音 響:清水麻理子
ヘアメイク:高橋功亘
舞台監督:山口晴記
テクニカルアドバイザー:やまだてるお
製 作:る・ひまわり メジャーリーグ
【公演について】
誰にでも分りやすい白石加代子の「源氏物語」
瀬戸内寂聴のチャーミングで活気あふれる現代語訳を元に原文、解説を織り交ぜて
構成されています。
原文はすばらしい日本語で、耳で聞くとわかりやすく、心地よい音が広がります。
また、いくら言葉を理解しても当時の風俗、習慣はわかりにくいので解説(本でいえば<注>の部分)を入れ込んで誰にでもわかりやすく、
難解なところのない台本になっています。
言葉に命を与える鴨下信一の演出は、古典文学を噛み砕き、そして、多くの登場人物、ドラマティックな名場面を白石加代子が語っていきます。
須磨・明石と末摘花…
朧月夜の君への恋から始まり、また源氏の君の一番元気な頃のお話。
源氏の君は、その恋の遍歴があまりにも過ぎて、須磨に流されてしまう。
そしてそこで明石の君と出会い、再び、都へ戻り、隆盛を極める。
波乱万丈で、一番エンターテインメントで楽しめる回だと言われています。
そしてこの回にはなかなかユニークな女性が登場します。
一人は50歳にして色好みという源典侍。この女性を源氏と、ライバル頭中将が張り合うという、実に楽しい場面。
もう一人は、源氏物語でもっとも人気のある真っ赤なお花の末摘花。
笑わせてほろりとさせる、なかなか貴重なキャラクター。
誰もが見てもわかる、誰が見ても面白い、高い格調と、くだけたユーモア。
それが須磨・明石と末摘花です。
鴨下さん、白石さんのぴったり息のあったコンビによる「源氏物語」にすっかり酔わされてしまった。
鴨下さんが原文とわたしの訳を駆使し、それを加代子さんが見事に噛み砕き、美味しい密にかもして観客に食べさせてくれる。
できるなら、このコンビで「源氏物語」の全編を聴かせ、観せてもらいたい。
〜瀬戸内寂聴。
魅了されてしまった。埋め尽くされた劇場が、二時間余り、一瞬も飽きることなく「白石源氏」に引きずり込まれ、全員ひたすら浸り酔っている。
こんな舞台ははじめてだ。
魅了という字には鬼がつく。
白石加代子さんにはきっと何か鬼さんがついているのだろう。
〜大和和紀