【キャスト・スタッフ】
蝶々さん:島田歌穂
コレル夫人:剣 幸
アービン宣教師:戸井勝海
書生(木原君):海宝直人
コーラス:
横関咲栄 鈴木 聡 谷えりか 島田邦人 竹内晶美 桝本和久
原 作:市川森一
音 楽:島 健
台本・作詞:忠の仁
演 出:荻田浩一
プロデューサー:砂田信平
装 置:石井強司
衣 裳:宮本尚子
照 明:雑賀博文
音 響:大野美由紀
舞台監督:廣瀬次郎
歌唱指導:古賀義弥
稽古ピアノ:熊谷絵梨
制 作:佐藤雄二
宣 伝:藤野清一
デザイン:古賀広宣
共 催:足立区シアター1010指定管理者
主催・企画・制作:Aux Sables
【公演紹介】
“自分が誰のおもちゃでもなかったという証明はしなければなりません”
2007年初演のオリジナルミュージカル「蝶々さん」。
プッチーニの「マダム・バタフライ」は日本人に対する誤解と偏見に満ちていますが、「ミュージカル
蝶々さん」は武士道を作品の骨格とし、国際都市・長崎を舞台に、明治初期に実在した蝶々さんの
半生と何人も侵すことのできなかった彼女の矜持とを、長崎県出身の名脚本家・市川森一が書き
下ろしました。島健の流麗でドラマチックな音楽に乗せて、島田歌穂が歌い、演じます。
【あらすじ】
明治中期、アメリカ人宣教師の夫と共に長崎を訪れたコレル夫人は、そこで一人の少女との運命
的な出会いを果たします。少女の名前は伊東蝶。後に、蝶々さんの名で呼ばれることとなるその
少女は、武士であった父親を凶刃のために失い、母親とも死に別れ、自らも丸山の花街に売られ
る運命にありながら、一縷の望みを賭けてコレル夫人のもとを訪ねたのでした。才気煥発、好奇心
旺盛で強さを秘めた蝶々さんに、コレル夫人はそれまで抱いていた日本人女性とは違うものを強く感じます。
やがて夫人は、折りにつけ蝶々さんを自宅に招き入れるようになり、コレル夫人は蝶々さんに
英会話を、蝶々さんはコレル夫人に横笛を教え合う仲になります。
そして、コレル夫妻の通訳である木原壮太と言う青年も、蝶々さんに淡い恋心を抱き始めるのです
が、蝶々さんの父親を殺害した佐賀藩士の一人が彼の父親だと判明し、木原青年もまた、皮肉な
運命に翻弄されて行きます。
そんなある日、蝶々さんはアメリカ海軍のフランクリン少尉との結婚報告に現われます。コレル
夫人はその結婚に不安なものを感じるのですが、蝶々さんの純粋な愛情とひたむきさに、何も言うことが出来ませんでした。
その後、フランクリン少尉を乗せた軍艦は長崎の港を離れて行くことになり、図らずもコレル夫人の
不安は的中することになります。蝶々さんがフランクリン少尉の子供を宿していることが判明した
ため、正式な婚姻手続きを行おうとコレル夫人がアメリカ領事館に赴いた際、フランクリン少尉には
本国にれっきとした妻がいることが判明したのでした。
それから数年後、再びフランクリン少尉を乗せた船が長崎に寄港することになりますが、待ち続け
た蝶々さんの前に現われたのは、ケイト・フランクリンと名乗る女性でした。過酷な運命に翻弄され
続ける蝶々さんの、驚くべき反応。それは、何人も侵すことのできなかった彼女の自尊心の現れだったのでした…。